【ネタバレ】コインロッカーベイビーズ 豊中市立文化芸術センター 8/12 11:00

今日は「逆バージョン」(byりょうちゃん笑)観てきたよ!

一言で言うと、こっちも最高だったよ!もうコレ、何度でも見たい。なんだろう、アマデウスとかみたいに、レミゼとかみたいに、アニーとかみたいに、ずーーーっっとやったらいいんじゃないかな!ハシキク入れ替えながらヒロイン時々変えながら、ハシキクを通してのりょうちゃんとふみきゅんの人生と成長を、えびたんも人生を、生涯をかけて見守っていくべき逸品なのではないかな!そんくらいの!凄いものでした!私大阪で待ってるから!また曽根に来て!私は曽根で待ってるから!次は全通するからあ~!!!

 

★キクきゅん★

「心拍」で登場した瞬間から、ふみきゅんはもうすでに「キク」になってて、見た瞬間から昨日の「はしきゅん」は私のなかから消えてしまった。あの甘えん坊で可愛いはしきゅんが…今日はいない。

 

「よぅ」「知り合い?」

の最初の一言で、もう、キクきゅんに引き込まれました。

鋭いナイフのような、見えないほどに細いけど決して切れないピアノ線のような、光を通さない漆黒のオニキスのような…、とにかく硬派な男がそこにはいました。

ふみきゅん、昨日と別人…。

役が違うから当然なんだろうけど、この変貌ぶりに戦慄しました。

そして、力強い芯のある歌声が「キク」の精神を聞かせてくれる。キクとはこういう男なのだ、というのを教えてくれる。

特に「隠された壁」は圧巻でした。与えられた環境でコツコツ地道に真面目に生きてきた男が、鋼鉄の自制心で抑えてきたものを解放するとこうなる、みたいな…。

ふみきゅん、凄かった。

 

★ハシハシ★

ハシハシも、出てきたときからもう、ハシだった。りょうちゃんの歌声…あの繊細な緩急の付け方、歌声の表情はまるで、風が吹けばサラサラと崩れてしまうような、もうすっかり乾ききった砂の城のように脆く儚く美しくて、いとおしかった。

ハシハシのあどけなさはまるで犬ッコロか三歳児かって感じで、いや~そらお稚児さんにしたくなるよね!て感じなんだけど、でも最初にD が出てくるシーンでDの肩にしなっと顔をのせてるところとか、あざとさも感じられて、あどけなさの裏にある小賢しさやずるさや弱さみたいな、人間の複雑さというか多面性というか、奥行きみたいなものを感じました。

りょうちゃんってやっぱ天才と思いました。

 

「青い舌」での妖艶さ、そして2幕の「ホワイト・ノイズ」の狂気…。本当に顔を真っ赤にして狂ってるハシを見て、ほんと、橋本良亮は天才…と思いました…(何回でも言うよ)。

黄色い面会室の場面で上手階段からおりて地を這って「手首が外せるようになったんだ…」とか言っているのをみて、怖っ…狂ってる…やっぱ天才…と思いました。

しかし狂ってるかと思えば急に素に戻って「ニヴァ…帰るよー」とか普通に呼び掛けたりするその切り替わりが逆にやばい怖い。やっぱ狂ってる。やっぱ橋本良亮は天才…。

 

 

★「変わってない 変わった」

闇に浮かび上がる蛍光オレンジのシャツを着たキクが印象的な、ハシキクアネモネの三重奏(歌唱)です。

異なる声質の3人が異なるメロディーと歌詞を歌うので、もう、こっちはどこを聞いていいのやら…。聖徳太子になりたい、て感じだったけど、凄くよかったなあ~。

 

そうそう、異なるメロディーと言えば、冒頭のタクシードライバーアネモネのかけあいも絶妙な不協和音になってて、凄いよかったんだった!!

 

★入れ替え制ダブルキャストについて★

どちらのハシキクも素晴らしかったので、そして、それぞれは全く別物だと感じたので、比較するのはあまり意味のないことだと思いました。

 

が、同じセリフでも、演じる人が違うとこんなに違うのか~!!と感じたセリフや場面がいくつかあったので書いておきたいと思います。

 

☆「よぅ。知り合い?」

キクの最初のセリフです。全然違う!びっくりした!どんなキクなのかを決定づけてた!

 

☆「ぼくはオカマに戻る」
そして次に いきなりこれかよって感じですが…。はしきゅんの「オカマに戻る」が好きだった。なんか、「宣言」て感じで。ハシハシはわりと流れで言ってたかな。

 

☆「インポ野郎」って言われるとこ

セリフじゃないけど…。なんか、あの甘えん坊はしきゅんが「インポ」って言われるとこ、私の性癖にぐっときた…。ハシハシが言われてるの見てもあんま性癖にこなかったんだけど。なんなんだろ。と考えてみると…

 

ちょっと話は変わるけど、コレは私の演者に対するバイアスがあるからかな~と思った。見る側の問題というか。

そもそも彼らは私にとってはまず「アイドル」として存在していて、容姿はもちろんのことキャラも含めてその人自身をまるっと日頃から愛でているわけで…。そーなってくると私はふみきゅんの、かまってちゃんで甘えん坊なとこが萌えポイントなので、そのふみきゅんがそんなこと言われてる!!みたいなのが、多分あるのよね。私が「はしきゅん」をそういう「イノセントで可愛い存在」として見てしまうのも、元々ふみきゅんのことをそういう目で見ていたからというのもあるわけで。りょうちゃんのことは、元々「男の子」「青年」として愛でているので、そういう性的なシーンにもそんなに反応しなかったのかなと思います。まあ、想像できる範囲内というか。

これって…アイドルの演技を見る上ではプラスにもマイナスにもなりうるよね。。役者一本でやっている人にとっても、固定ファンを得るということは、そういうことなのかもしれないけど。おっさんずラブにはまって以降、田中圭の過去のバラエティ出演動画を見あさって、あやうくファンクラブにも入りかけましたけど、そのテンションで「ケンカツ」とか「ダブルファンタジー」のティーザー見たらまたなんか違うなって思ったりして…。

アイドルファン層を越えた所に届くドラマや映画に出て、そこで評価されたら、「役者」って感じになるのかなあ…。二ノとか岡田くんとか風間くんとか…そういうことなのかな?

 

ま、ともかくあのシーン、はしきゅんでおばちゃんこーふんしちゃった!あはは!


 ☆「ありがと」

ハシキクの「ありがと」は、ほんとにやさしーーーーーんだよねーーーー!!!私も言われたい!!!あの声とトーンで「ありがと」言われたい。

 

☆「舌だせ。しーた。」

ハシキク、軽い。チャラい。やだ、やらしい…。

 

☆「ワニの国」の時のキク

アネモネの魅力を表した名曲「ワニの国」を歌い踊るアネモネを見る、キクの表情が好きでした。これは、キクきゅん、ハシキク、どっちも。

「私、ワニの国の使者なの!」とか言い出したアネモネを「しょーがねぇやつだな」とでも言いたげに苦笑いしながら、でもいとおしそうに見つめる表情が、甘酸っぱくて切なくて。長い肢体を伸び伸びと動かして生き生きと歌い踊るアネモネを見ていたら、こりゃー、恋、しちゃうよね~と見てる方も納得しちゃうんだよね。そういう魅力にあふれてるの。

キクのことは、こちとらファンなもんでもうすでに恋してるから、アネモネが好きになっちゃうのに説得力もなにも要らないんだけど、キクがアネモネに恋することを受け入れるには、それなりの理由がいるわけで。そしてこの曲はそれを補ってあまりある名曲、そして名演だったわけで。アネモネが私たちに、彼らの恋する男の表情を見せてくれるわけで。

 

キクきゅんの表情は、硬派な彼の心の奥のやらかい場所を見せてくれるような感じ。

 

ハシキクは、普段はつかみどころのない彼の、愛情が溢れてきちゃってるみたいな。

 

そんな感じで凄く好きなシーンでした。

 

★席について★

さてさて、話変わって、座席問題。

1日目は一階最後列上手側。

2日目は2階最前列センブロでした。

今回は席運なかった…。でもま、担当じゃないので、当たっただけでも感謝でした。恋ヴァの時はかなりいい席だったしね。やっぱ担当優先になるのかな席は。

 

で、席についてまず言いたいのは、2階はとにかくまぶしい!ってこと。舞台中央のライトの光がもろに目に来る!目がチカチカして、残光でお顔が見えない…てなるので、途中からは中央のライトの光を指でブロックしながら見ました。

でも2階は意外と全体が見えてよかったです。1階1番後ろよりは表情もよく見えたし。双眼鏡、持ってたら関係ないのかもしれないけど、私は舞台は全体を見たいかな~。もっと何度も見たら細かい表情をチェックしたくなるのかしらん。

あと、最初の「コインロッカー・ベイビーズ」の時、会場の横の壁にもライトの光がゆらめいていて、会場全体が海の中みたいでキレーだなーって思いました。これは、2階から全体を見ないとわかんなかったと思う。

 

音響は、2階のほうがクリアだったかな。低音もよく響いてきました。もしかしたら、1日目と2日目で調整があったのかもだけど。

 

★2回見てみての感想★

2回目のほうが展開が早く感じました。先を知ってるからなのかな。2日目はもう、あっというまに終わってしまった。いつまでも見ていたいっていう気持ちがあったからかな…。

ほんと、何度でも見たい舞台なので、ライフワークにして再演を重ねて欲しいです。同じセリフでも全く違うし、それぞれのハシキクがあって、ほんと、2回見れてよかったです。

 

★カテコ★

最後の挨拶で「昨日は逆バージョンをやって、今日は逆バージョンをやって…」と一生懸命話す俺らのハッシーに「どっちも逆バージョンなんかいっ!」って、今日もフフフッてなる会場を尻目に「感情がぶっこわれます。病みます。中二病とメンヘラくらいに。」と続けるりょうちゃんに、またフフってなってしまうえびえびのみんなでありました笑。いや、でも、そうよね~。よくやるよねこれ…病むよね…。

安定のピースと投げキッスで去っていったりょうちゃんでした。

 

★ストーリーについて思ったこと★

コインロッカーに新生児を置き去りにする事件というのは本当にあったらしく、そういう社会的な面が主軸にある物語だとは思うのですが、私が気になったのは、この物語における、芸能界の描かれ方でした。

 

ゲイのパトロンを得て、出自をアピールしてスターダムにのしあがる、というのは、ほら、もう、アレじゃん、事務所そのものじゃんか…。豊川誕のデビューが1975年で退所が1979年、コインロッカー・ベイビーズ単行本発売が1980年、てさあ…。よう許したなジャニーさんは。

 

で、まあ、芸能界特有の猥雑さや薄暗さ、虚飾のキラビヤカさみたいなのが描かれていて…今は芸能界もそこまでじゃないんだろうけどさ、どうしても重ねてしまうよね、現役アイドル、しかも辛酸をなめてきた彼らがこれを演じるということの過酷さを残酷に感じてしまい、苦しいところもありました。

 

★青春物語として★

芸能界の光と影を苦しく感じる一方で、ハシキクアネモネの青春物語として見ると、とても清々しくもある。この世界に生き辛さを感じている者同志が惹かれあって、破滅へ向かうんだけど、それは精神の解放でもあるっていう皮肉というか、うーん、今となっては、エヴァンゲリオン的な終わり方なのか…?鬱展開なんだけど、解放感にあふれてるんだよね~。。

恋の最中のキャッキャしたシーンもあるんだけど、それだけで終わらず、孤独な魂同志の繋がりがきちんと描かれているところもとてもいいなと思いました。

 

★心拍★

音が聞こえた

鼓動が聞こえた

光が見えた

世界が見えた

見えたのは

海 

 

★キャストのみなさま、スタッフのみなさま、とても素敵な時間をありがとうございました!★